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有明海のシンボル的な存在。日本では有明海と八代海の一部にしかすんでいないが、朝鮮半島、中国沿岸、台湾にも分布する水陸両生魚で、最大20cm。
鰓(エラ)と皮膚の両方で呼吸が出来るため干潟の上を這い回ることが出来る。
ムツゴロウの一般的な食べ方は蒲焼きだがその前に、残酷ではあるが生きたまま串に刺し炭火で素焼きにする。以前は盆漁として良く食べられており、夏ばて防止的な意味合いもあったのだろう。
●地方名(方言):ムツ、ムットウ
●主な漁場:干潟域一帯
●主な漁法:むつかけ、タカッポ、がた羽瀬
クチゾコの名の由来は靴の底であるが、食べ物では聞こえが悪いためクチゾコとなったとされる。英名Sole(ソール)も同じ意味。tongue(タン)は舌の意味で日本も西洋も形から発想することは変わりがないことが面白い。
コウライアカシタビラメは本州以南の日本各地に分布し、シタビラメ類で最も多く、味も一番良いとされる。特に有明海のものは「前海もの」等と称され、価格も高いが確かにうまい。味はたんぱくだが、煮付けは絶品、小さなものは唐揚げにしてもおいしい。ムニエル等のフランス料理まで幅広い食材として重宝されている。
●地方名:クチゾコ、クッゾコ、クロシタ
●主な漁場:有明海沿岸一円
●主な漁法:固定式刺網、雑魚三重流し刺網、あんこう網
ガザミと並ぶ有明海の最重要種。冬の朝、太良町の漁港から船が一斉に海に出る光景は勇壮そのもので、有明海の冬の風物詩ともなっている。
タイラギは大型の二枚貝でとがった方を下にして海底に立っており、東北地方以南、東南アジアからインド洋にかけての温・熱帯域に広く分布している。タイラギの貝柱はホタテ貝のそれに比べうまみや歯ごたえもあり、刺身、塩焼き、粕漬け等何でもおいしい。ビラもぽん酢で食べたり、吸い物等にするが、貝柱よりおいしいという人も多い。
●地方名:チャーラギ、タチガイ、タイラギ
●主な漁場:水深5~15mの砂泥域の海域
●主な漁法:ヘルメット式潜水器
小骨が多いので、骨切りにして刺身酢ぬた、唐揚げ等で食べるとおいしい。
エツには、「弘法大師が若い船頭に大川の若津から諸富まで渡してもらったお礼に川に投げ入れた葦の葉がエツに変わった。」とか「秦の徐福が不老長寿の秘薬を求めて有明海から諸富に上がった時、不漁続きで困っている漁民に同情して葦の葉を川に投げ入れたところエツに変わった。」といった伝説が筑後川周辺の人々にとっていかに重要であったかを物語っている。
●地方名:エツ
●主な漁場:筑後川
●主な漁法:エツ流し刺網(筑後川)
有明海のほか、瀬戸内海にも分布する。干潟周辺の泥質、澪筋の砂泥質の場所に多い。少し洗って生のまま適度な大きさに切り、酢ヌタや三倍酢で食べるのもおいしいが、何と言っても干物、特に一夜干しをあぶって食べるのが最高にうまい。水管がもつ本来のうま味と有明海の泥の風味が混じり合い何とも言えない味となる。また粕漬けの材料としても利用されている。
●地方名:ウミタケ
●主な漁場:河口沖澪筋の砂泥質域(最干潮線以深)
●主な漁法:ねじ棒、簡易潜水器(スキューバ)
オスは、片方のはさみ脚が巨大化しており、これを動かす格好が潮を吹いているように見えるところが、この名前の由来なのであろう。
有明海沿岸の漁家や農家では、古くから「がん漬け」(「がねつけ」とも呼ぶ)を作って日常のおかずにしていたが、これが塩辛の一種であることはよく知られていること。ふんどし(腹)を取り除き、すり鉢の中ですりこぎで丸ごと叩いてすり潰し、塩、唐辛子で味を付け、1週間から数週間ねかすと出来上がる。
●地方名:マガニ、マガネ、ガンツケガニ
●主な漁場:河口域の泥質の干潟
●主な漁法:素手(かち採り)、釣り
有明海のほか、八代海にも分布し、泥や砂泥質の干潟の地盤の高い所に多い。
アゲマキは揚巻と書くが、聖徳太子の耳の横でB字型に束ねられた髪型、あるいは花魁(おいらん)の髪型、カブトの結び目をいずれも揚巻といい、これらの形に似ているところからきている。学名は中国のカミソリの意、英名はジャクナイフといい、和名の典雅な由来に比べていささか素気ない。
独特の風味があり、バター焼き、塩焼き、煮物、吸い物などにしておいしく、まさに有明海の味がする。
●地方名:アゲマキ、チンタイガイ、ヘイタイガイ
●主な漁場:河口の岸近くや護岸堤防周辺の砂泥
●主な漁法:手堀り、釣り(鉤型金具)
※佐賀水産局「佐賀のさかな写真鑑」より抜粋



